治療を受ける前の「インフォームドコンセント(説明と同意)」は、自分を守る大切な手続きです。基礎をやさしく整理します。

どんな仕組み?

医療者が、治療の内容・目的・期待できること・リスク・費用・代替手段などを説明し、患者が理解・納得したうえで同意する——これがインフォームドコンセントです。同意は「サインするだけ」ではありません。

同意の前に確認したいこと

分からない点は遠慮なく質問し、書面で説明を受けること。その場で決めずに持ち帰る選択もあります。急かされる、質問に曖昧にしか答えないといった場合は、慎重に考えてよいサインです。

自由診療では特に

自由診療は費用が全額自己負担で、内容も医療機関ごとに異なります。総額・回数・追加費用・返金条件なども、同意の前に確認しておきましょう。

説明されるべき項目の整理

同意の前に、何が説明されるべきかを項目として持っておくと、聞き漏らしを減らせます。あわせて、その場で答えを書き留めておくと、持ち帰って比べるときに役立ちます。特定の医療機関を推奨するものではありません。

項目説明されるべきことあいまいなときに聞くこと
目的と内容何のために、何を行うのか体に入れるのは細胞ですか、分泌物ですか、薬剤ですか
想定される変化期待されること、その根拠それは人を対象にした試験の結果ですか
リスク起こりうる副反応と、その対応頻度の目安と、起きたときの連絡先は
ほかの選択肢受けない場合を含めた選択肢保険診療で対応できる方法はありますか
費用総額、回数、追加費用の有無途中でやめる場合の扱いは
手続き再生医療等提供計画の届出、審査の状況計画番号や委員会の名称を教えてください

「ほかの選択肢」には、何もしないという選択も含まれます。受けないという判断もひとつの選択肢として示されているかは、説明の姿勢を見る手がかりになります。

同意は一度きりのものではない

説明と同意は、書類にサインした時点で完結するものではなく、途中で変わりうる前提の仕組みです。内容に変更があれば改めて説明を受けられますし、いったん同意したあとで気持ちが変わった場合に、その意思を伝えることもできます。

また、自由診療の一部は特定商取引法の特定継続的役務提供に当たる場合があり、その場合は中途解約やクーリング・オフの規定が関わります。対象になるかどうかは契約の内容によって異なるため、契約前に条件を書面で確認しておくのが確実です。判断に迷うときは、お住まいの消費生活センターに相談する方法もあります。

その場で決めない、を前提にする

丁寧な説明を受けたあとほど、その日のうちに決めたほうがよいのだろうか、という気持ちになりやすいものです。あらかじめ「今日は聞くだけにする」と決めておくと、落ち着いて比べられます。期間限定の価格や当日申込みの割引を理由に判断を急かされる場面は、医療広告の考え方の上でも慎重に見てよいとされています。

持ち帰ったあとに見直せるよう、説明書、見積り、リスクと連絡先が書かれたもの。この3つを手元に残せるか確認しておくと役立ちます。口頭の説明だけでは、時間が経つと記憶があいまいになります。受け止め方には個人差がありますが、迷いが残るなら決めない、という基準を先に持っておくと迷いにくくなります。

よくある質問

Q. その場で同意しないと失礼ですか?

A. そのようなことはありません。納得できるまで確認し、持ち帰って検討して問題ありません。

Q. 説明が不十分に感じたら?

A. 遠慮なく質問しましょう。曖昧なままでの同意は避け、必要なら中立の立場で整理をお手伝いします。

Q. 同意書にサインしたら、もうやめられないのですか?

A. 同意は撤回できる前提の仕組みです。ただし、すでに行われた処置の費用や、契約上の扱いは内容によって異なります。中止したい場合の条件を、契約前に書面で確認しておくのが確実です。

Q. 説明書をもらえないことはありますか?

A. 求めること自体は差し支えありません。控えを渡せないという場合は、その理由を確認してください。手元に記録が残らないと、あとから内容を確かめる手立てがなくなります。

Q. 家族に同席してもらってもよいですか?

A. 差し支えありません。聞く人が増えると聞き漏らしが減り、持ち帰ってから確認し合うこともできます。同席を断られた場合は、その理由をたずねる余地があります。

参考にした公的情報


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この記事について

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