どんな医療にも、期待できることと同時にリスクがあります。再生医療・美容医療を検討する際に知っておきたい、一般的なリスクの考え方を整理します。特定の治療の危険性を断じるものではありません。
リスクをゼロにはできない
新しい医療は期待とともに不確実さも伴います。注入部位の内出血や腫れといった比較的軽いものから、まれに重い事例が報告されることもあります。「絶対に安全」という表現は、医療にはなじみません。
事前の説明が要
信頼できる医療機関は、起こりうるリスク・副作用や、万一のときの対応について、聞く前に説明してくれます。メリットばかりを強調し、リスクに触れないところは、むしろ慎重に見たほうがよいでしょう。
自分を守るために
用いるものが何か、法の対象か、届出や委員会審査の有無、費用の総額、そしてリスクへの備え。これらを確認し、少しでも不安があれば、その場で決めずに持ち帰ることが大切です。医療機関での診察を前提に判断しましょう。
リスクの種類ごとに整理する
ひと口にリスクといっても、由来はいくつかに分かれます。どの種類の話をしているのかが分かると、確認すべき相手と内容もはっきりします。区分の説明であり、特定の施術を推奨するものではありません。
| 種類 | 例として挙げられるもの | 確認しておきたいこと |
|---|---|---|
| 手技に伴うもの | 内出血、腫れ、痛み、感染 | 頻度の目安と、起きたときの対応 |
| 投与するものに伴うもの | アレルギー反応、発熱 | 何を投与するのか、由来と成分 |
| 採取に伴うもの | 採取部位の痛みや傷あと | 採取の方法と部位、回復までの目安 |
| 品質・管理に関わるもの | 汚染、取り違え | 製造・加工の施設と検査の体制 |
| 制度に関わるもの | 届出のない提供、未承認のものの使用 | 提供計画の届出、承認の有無 |
| 経済的なもの | 変化を感じられず費用だけが残る | 総額、回数、中止したい場合の条件 |
最後の「経済的なもの」は身体のリスクではありませんが、自由診療では実際に相談が多い項目です。医療上の説明とは別に、契約の条件も書面で確認しておくと安心につながります。
「頻度」がはっきりしないことは珍しくない
承認された医薬品には、臨床試験で集められた副作用の発生頻度が添付文書にまとめられています。一方、自由診療で提供されている施術の多くは、そうした形で頻度が公表されているわけではありません。「ほとんど報告がありません」という説明が、報告を集める仕組みが整っていないことの裏返しである場合もあります。
そのため、数字が示されなかったこと自体を問題視するよりも、その数字がどこから来たものかをたずねるほうが実際的です。自院での件数なのか、公表された研究なのか、海外の報告なのか。出どころが分かれば、受け止め方の幅も決めやすくなります。感じ方や体質には個人差があり、同じ施術でも経過は一様ではありません。
よくある質問
Q. リスクが不安です。受けないほうがいいですか?
A. 受ける・受けないは、正しい情報とリスクの理解のうえで、ご自身が納得して決めるものです。判断材料の整理はお手伝いできます。
Q. リスクの説明をしてくれない場合は?
A. リスクに触れない、質問に曖昧にしか答えない場合は、いったん距離を置いて検討する判断もあります。
Q. 副作用の頻度はどこで確認できますか?
A. 承認された医薬品であれば、添付文書に記載があり、PMDAのサイトで閲覧できます。承認されていないものについては、公的にまとまった頻度の情報は基本的にありません。医療機関の説明が唯一の情報源になることが多いため、その根拠をたずねてください。
Q. 「未承認」と書かれていたら、受けてはいけないのですか?
A. 未承認であること自体が、ただちに禁止を意味するわけではありません。医師の判断で行われる自由診療には、承認された医薬品を用いないものも含まれます。ただし、承認を受けていないということは、有効性と安全性が国の審査を通っていないという意味でもあります。その前提を知ったうえで判断できるよう、説明を求めてください。
Q. 何かあったとき、どこに相談すればよいですか?
A. まずは施術を受けた医療機関に連絡するのが基本です。連絡が取れない、対応に納得できないといった場合は、お住まいの自治体の医療安全支援センターや、消費生活センターに相談する方法があります。
参考にした公的情報
あわせて読みたい:「再生医療等提供計画の届出とは?」「自由診療と保険診療の違い」
迷ったら、無料・中立でご相談ください。 → お問い合わせフォームはこちら
この記事について
本記事は、厚生労働省・独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)などが公表する一次情報をもとに、再生医療ガイド編集部が作成しています。当サイトは医療機関ではなく、特定の治療法や医療機関を推奨するものではありません。効果には個人差があり、治療を受けられるかどうかや適応の判断は、医師の診察に基づいて行われます。記事の作成方針と参照範囲については運営者情報・編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。
最終更新日: