「培養上清液」と「エクソソーム」は、しばしばセットで語られます。似た文脈で使われますが、意味は同じではありません。関係を整理し、確認したい注意点をまとめます。

培養上清液とは

幹細胞などを培養した際の“上澄み”を培養上清液と呼びます。その中には、細胞が分泌したさまざまな成分が含まれ、エクソソーム(細胞外小胞)もそのひとつとされています。つまりエクソソームは、培養上清液に含まれる成分の一部という関係です。

制度と品質の視点

培養上清液・エクソソームは、現時点で再生医療等安全性確保法の対象外とされています。品質や製法は提供元によって異なり、統一された基準が確立しているわけではありません。だからこそ、どのように製造・管理されているか、説明を受けることが重要です。

確認したい注意点

薬事承認された医薬品ではないこと、効果を保証するものではないこと、費用やリスク・副作用、そして施術後に献血が一定期間制限される場合があること。これらを事前に確認し、医療機関での診察を前提に判断しましょう。

幹細胞・培養上清液・エクソソームの関係

言葉が近いために混同されやすい4つを、中身と制度上の扱いで並べました。区分の説明であり、どれかを推奨するものではありません。

用語中身細胞を含むか制度上の扱い
幹細胞(細胞そのもの)生きた細胞含む加工して体に戻す場合は再生医療等安全性確保法の対象
培養上清液細胞を培養したあとに残る液体含まない同法の直接の対象外
エクソソーム培養上清液に含まれる細胞外小胞の一種含まない同法の直接の対象外。承認された医薬品はない
幹細胞コスメ化粧品に配合された成分含まない薬機法(化粧品としての表示の範囲が定められている)

培養上清液とエクソソームは、親子のような関係にあります。上清液という液体の中に、細胞外小胞やタンパク質、脂質などが混ざっていて、そのうちの一部がエクソソームと呼ばれるものです。「エクソソーム点滴」と案内されていても、実際に投与されているのが精製された小胞なのか、上清液そのものなのかは、施設によって異なります。

「同じ名前でも中身が違う」が起きる理由

培養上清液は、もとになる細胞の種類、ドナー、培養に使う培地、培養の期間、そのあとの精製や濃縮の工程によって、含まれる成分が変わるとされています。加えて、承認された医薬品ではないため、規格が国によって定められているわけでもありません。同じ「エクソソーム」という表示でも、施設によって中身が異なりうるのは、このためです。

2024年7月には厚生労働省から、エクソソームや培養上清液を用いる際の品質・リスク管理について注意を促す事務連絡が出され、日本再生医療学会もガイダンスを示しています。制度の対象外であることと、何を確認しなくてよいこととは別だ、という整理がなされている状況です。効果の感じ方には個人差があり、確立した評価が定まっている段階ではありません。

よくある質問

Q. 培養上清液とエクソソームは同じですか?

A. 同じではありません。培養上清液の中に含まれる成分のひとつがエクソソームだと整理するとわかりやすいです。

Q. 品質はどう確認すればいいですか?

A. 製造・管理の方法や説明の丁寧さが手がかりです。判断に迷う場合は中立の立場でご相談に応じます。

Q. 培養上清液とエクソソームは同じものですか?

A. 同じではありません。培養上清液は細胞を培養したあとの液体全体を指し、エクソソームはその中に含まれる細胞外小胞の一種です。案内の表示だけでは区別がつかないことがあるため、投与されるものが液体そのものなのか、精製されたものなのかを確認してください。

Q. 「ヒト由来」「植物由来」と書かれているのは何が違うのですか?

A. もとになる細胞の出どころが違います。医療機関で扱われるものの多くはヒト由来ですが、化粧品では植物由来をうたうものもあります。由来が違えば含まれる成分も異なり、比較できる情報の量も変わります。同じ「エクソソーム」という言葉でひとくくりにはできません。

Q. 品質について、何をたずねればよいですか?

A. もとになる細胞の種類と由来、製造した施設、無菌性や不純物の検査をしているか、保管と輸送の方法、含有量を何で示しているか。この5点を聞くと、説明できる範囲がある程度見えてきます。答えられない項目がある場合は、その理由もあわせて確認してください。

参考にした公的情報


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この記事について

本記事は、厚生労働省・独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)などが公表する一次情報をもとに、再生医療ガイド編集部が作成しています。当サイトは医療機関ではなく、特定の治療法や医療機関を推奨するものではありません。効果には個人差があり、治療を受けられるかどうかや適応の判断は、医師の診察に基づいて行われます。記事の作成方針と参照範囲については運営者情報・編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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