エクソソーム研究が最も進んでいるのは、実は美容ではありません。がんの診断に関わる分野です。その代表がリキッドバイオプシーです。
リキッドバイオプシーとは
従来の生検が針や内視鏡で組織を採取するのに対し、血液などの体液からがんの遺伝子情報を得ようとする手法です。通常の採血で検体が得られるため、体への負担が小さいことが特徴です。
何を見ているのか
体液中には、がん細胞に由来する物質がわずかに流れています。代表的なものが、がん細胞が壊れる際に放出されるDNA断片、血中を流れるがん細胞そのもの、そしてがん細胞が分泌するエクソソームです。現在、臨床への応用が最も進んでいるのはDNA断片を対象とした検査とされています。
日本での位置づけ
国内では、がん遺伝子パネル検査の一部が保険適用されています。ただし対象は、すでにがんと診断された方が治療方針を検討する場面です。組織の採取が難しい場合に選択肢となる点に意義があるとされています。
一方、健康な方を対象としたがんの早期発見への応用は、研究や自費検査の段階にあります。保険診療で用いられている検査とは目的も検証の水準も異なります。
美容領域との混同に注意
「エクソソーム」という同じ言葉が、がん診断の研究と美容の施術の両方で使われています。しかし前者は承認を目指す医療技術の開発、後者は自由診療として提供されているもので、根拠の水準は異なります。研究の最前線が身近な施術と直結しているとは限らない、という点は押さえておきたいところです。
よくある質問
Q. 血液検査でがんが分かるようになりますか?
A. 研究は進んでいますが、健常者のスクリーニングとして確立した段階ではありません。
Q. 自費のエクソソーム検査は受けるべきですか?
A. 目的と検証の水準を確認したうえで、医師とご相談ください。
あわせて読みたい:「エクソソームとは何か?」「自由診療と保険診療の違い」
迷ったら、無料・中立でご相談ください。 → お問い合わせフォームはこちら
この記事について
本記事は、厚生労働省・独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)などが公表する一次情報をもとに、再生医療ガイド編集部が作成しています。当サイトは医療機関ではなく、特定の治療法や医療機関を推奨するものではありません。効果には個人差があり、治療を受けられるかどうかや適応の判断は、医師の診察に基づいて行われます。記事の作成方針と参照範囲については運営者情報・編集方針をご覧ください。内容の誤りにお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。
最終更新日: