iPS細胞は再生医療の象徴的な存在ですが、美容クリニックで提供されている施術に使われているわけではありません。両者の関係を整理します。
iPS細胞は幹細胞の一種
「幹細胞」は、自分と同じ細胞に増える能力と、別の種類の細胞に変化する能力をあわせ持つ細胞の総称です。iPS細胞はその中の一つで、皮膚や血液の細胞に特定の遺伝子を導入し、人工的にさまざまな細胞になれる状態へ戻したものを指します。幹細胞とiPS細胞は並列ではなく、包含の関係にあります。
三つのタイプの違い
体性幹細胞(成体幹細胞)は、脂肪・臍帯・歯髄・骨髄などにもともと存在する細胞です。変化できる細胞の種類は限られますが、採取が比較的容易です。ES細胞は受精卵からつくられ、多様な細胞になれる一方で倫理的な議論があります。iPS細胞は人工的につくられ、ES細胞の課題を回避しうる技術として2006年に報告されました。
美容で使われているのはどれか
美容領域で「幹細胞」「幹細胞培養上清液」として扱われているものは、体性幹細胞に由来するものが中心です。iPS細胞やES細胞が美容目的の施術に用いられているという状況ではありません。iPS細胞の応用は、難病治療や臓器の再生を目指す臨床研究の段階にあります。
そのため、広告や説明の中で「iPS」という言葉が美容施術と結びつけて使われている場合は、何を指しているのかを確認したほうがよいでしょう。
言葉のイメージと実際
「最先端の研究に基づく」という説明は、研究分野全体としては正しくても、目の前の施術がその研究成果そのものであるとは限りません。研究の最前線と、実際に提供されている自由診療の内容は、必ずしも同じ地点にないという前提で情報を受け取ることが大切です。
よくある質問
Q. iPS細胞由来の化粧品はありますか?
A. 表示の意味は製品ごとに異なります。何に由来する成分なのか、事業者に確認するのが確実です。
Q. 将来的に美容でも使われますか?
A. 研究の進展次第です。現時点で見通しを断定できる段階ではありません。
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この記事について
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