「幹細胞治療」と「エクソソーム」は同じ文脈で語られますが、体に入れているものが根本的に違います。この違いは、法律上の扱いにもリスクの性質にも直結します。
入れているのは「細胞」か「分泌物」か
幹細胞治療は、培養して増やした細胞そのものを投与します。一方、エクソソームや培養上清液は、細胞が浮かんでいた培養液の側を回収したもので、細胞そのものは含まれません。「幹細胞由来」と表示されていても、細胞が入っているとは限らないという点が、最も誤解されやすいところです。
なぜ分ける必要があるのか
細胞を投与する医療は、再生医療等安全性確保法の規制対象です。提供にあたっては再生医療等提供計画の届出などの手続きが求められます。これに対し、細胞を含まない上清液・エクソソームは現行法の直接の対象外という整理がなされてきました。同じ「再生医療っぽい」施術でも、制度上の位置づけが大きく異なります。
また、エクソソームについては、有効性・安全性が確認され薬事承認を受けた医薬品は国内外に存在しないとされています。効果を断定する表現には注意が必要です。
リスクの性質も違う
細胞は目に見えない小さな粒とはいえ、血管内に入れれば血流を妨げうる大きさを持ちます。細胞を含まない製剤ではこの種のリスクは理論上小さくなりますが、代わりに製造・保存工程での品質管理が問われます。どちらが安全という話ではなく、確認すべき点が違うと考えるのが実際的です。
説明を受けるときの確認点
「これは細胞そのものですか、それとも細胞が出した分泌物ですか」と一言たずねるだけで、話の前提がはっきりします。細胞であれば届出の有無を、分泌物であれば由来と製造元の開示を確認する、という順序になります。
よくある質問
Q. 「幹細胞点滴」と書かれていれば細胞入りですか?
A. 表記だけでは判断できません。培養上清液を指してそう呼んでいる場合もあります。医療機関に直接確認してください。
Q. 分泌物のほうが新しい技術ということですか?
A. 研究の歴史としては新しい領域ですが、新しさと有効性の確からしさは別の問題です。効果には個人差があり、判断は医師の診察によります。
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この記事について
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