細胞を含まないものに意味があるのか。この疑問には、研究上の根拠がある部分と、まだ確かでない部分の両方があります。

パラクライン効果という考え方

幹細胞を移植したとき、その細胞が組織に定着して置き換わることよりも、細胞が周囲に放出する物質が周りの細胞に働きかけることのほうが重要ではないか、という考え方があります。これをパラクライン効果と呼びます。移植した細胞の多くが比較的短期間で失われるにもかかわらず変化が観察される、という報告がその背景にあります。

この考え方に立てば、細胞そのものではなく細胞が出す分泌物を用いるという発想は、理屈としては筋が通っていることになります。

確かでない部分

一方で、試験管の中や動物実験での観察が、そのままヒトへの投与で同じ結果になるとは限りません。投与した成分がどれだけ壊れずに目的の部位まで届くのか、といった点は十分に明らかになっていません。

さらに、製品ごとの成分が標準化されていないという課題があります。ドナー、培地、培養条件、精製方法が異なれば中身も変わるため、同じ呼び名でも内容が同一とは限りません。

論点は「細胞がないこと」ではない

細胞を含まないこと自体は、必ずしも欠点ではありません。しかし、細胞を含まないから安全と単純に言えるわけでもなく、製造や保存の工程における管理が問われます。着目すべきは細胞の有無ではなく、中身がどこまで担保されているかという点です。

なお、エクソソームについて有効性・安全性が確認され薬事承認を受けた医薬品は存在しないとされています。効果には個人差があり、断定的な説明には注意が必要です。

よくある質問

Q. 理屈が通っているなら効くのでは?

A. 作用の仮説が合理的であることと、ヒトでの有効性が示されていることは別の段階です。両者を分けて考える必要があります。

Q. 製品による差はどう確認しますか?

A. 由来、製造元、保存条件などについて説明を求め、記録が残る形で確認するのが実際的です。


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